遺言書の書き方 遺留分とは?家族に遺産を相続させる時に注意する事

最終更新日:2015/06/17

「遺言書なんて、お金持ちが書くものだ」
「私には財産なんて呼べるものは無いのだから関係ない」
なんて思っていませんか?

それは間違いです。

実際は、相続額が少額である方がドロドロに揉める場合が多いそうです。
一般家庭の方が細かく、相続額が100万違うだけで大問題になるという事ですね。

遺言書が無かったために、生前仲の良かった親族・兄弟同士が憎しみ合ったりする事もあります。

そうならないためにも一度、自分が亡くなった後の事をしっかり考えてみましょう。

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遺言書の書き方 その効力と遺留分とは?

相続には、法的にその権利を有する人(=「法定相続人」)と、相続の割合が定められていますが、もちろん自分の財産を誰にあげるかの決定権は自分にあります。

その遺志を記したものが「遺言書」です。

遺言書が認められれば、それは本人の意思として最優先で施行されます。

「愛人にすべての遺産を譲る」

なんて書かれていたら、それが優先されるわけです。
しかし、それでは家族はかないません。

原則として、あなた名義の資産はすべてあなたの遺産として相続分配の対象となります。

家族の生活費をあなたの資産で賄っていたりすると、翌日から遺されたご家族が生活に困ってしまう事になります。

そうでなくても、ご家族の心情は穏やかではないでしょう。

そんな事態を避けるためにも法律で定められた続柄(配偶者・子・両親)の場合、遺言書に関係なく一定額の相続ができる権利が認められる制度があります。


それが「遺留分」(いりゅうぶん)です。


この「遺留分」を誤解されている方が多いのですが、あくまで権利です。

権利は執行しないと機能しません。

また、この遺留分は続柄によりその割合が別れていますが、全財産の何割かを遺留分として分けられ、その中で権利を持つ法廷相続人全てに分配されることになります。

つまり、1億の遺産があったとして、死亡した夫が「愛人にすべて譲る」と遺言書に記した場合、妻だけなら遺留分1/2の5,000万相続できますが、子供が一人いたら遺留分の5,000万を2,500万ずつ分ける、子供二人なら1/3のおよそ1,666万ずつ相続する事となります。
(※続柄により遺留分や相続の割合は変わります)

そして、遺留分以外の遺産5,000万は夫の遺言通り「愛人にすべて譲られる」事になります。

何とも世知辛い結果です…。


つまり「遺言書」というのは、それほどに効力を持つのです。

ですので、遺産に対してきちんと自分の考えを記しておけば、心情的なものはともかく、法的には揉めることなく相続手続きを進める事ができます。

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遺言書の書き方 妻と子供に遺産のすべてを遺したい場合の注意点

妻子に遺産すべてを相続させるには。

先程の例えとはうって変わった状況ですね。(笑)

先述しましたが、遺産相続には法律で法廷相続人が定められています。

遺言書で自分の遺志が示されていない場合、法律にのっとて遺産が割り振られます。
よって、結婚後に疎遠になっているような親戚から相続の権利を主張される可能性もあるのです。

もしその時、現金だけでは賄えなかったら…

最悪、遺された奥さんやお子さんが住む家を売って、支払わなければならない可能性も出てくるわけです。

…恐ろしい話です。


そうならないためにも是非、元気なうちに遺言書を作っておきましょう!


家族に遺産のすべて譲りたいと考えている場合で心配なのはやはり「遺留分」です。

遺言書に書いてみたものの、遺留分を請求(=「遺留分減殺請求」)されてしまえば分けなくてはならなくなります。

しかし法廷相続人でも「遺留分」を請求できる続柄は限られていて、遺言者の両親と配偶者、子(認知された非嫡出子含む)となっています。

ちなみに兄弟姉妹は法廷相続人ですが、遺留分は認められていませんので、ご両親が先に亡くなられている場合は全財産を家族(妻と子)にすべて譲る旨を遺言書に記しておくだけで大丈夫です。

ではご両親がご存命な場合はどうしたら良いのでしょうか。

これはもう、説得しかありません。
遺留分の請求をしないようにお願いします。

奥さんと子供を遺して逝く心情や、子供(孫)の心配などをきちんと説明して理解を求めましょう。

また、財産のすべてを妻子に譲ると記した遺言書にも一言、両親へのお詫びとともに理解とお願いを書いておくのも良いかと思います。


遺言書は、元気なうちはいくらでも書き直す事が出来ますので、一度、気楽に作ってみてはいかがでしょうか。



遺言書を書く際の注意点 条件をつける相続もできる

では、実際に書くに当たっての注意点を少し書いておきます。

遺言状には

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

の3種類があります。


そのうち、

・公正証書遺言
・秘密証書遺言

には、専門的な知識や立ち会いが必要となり、費用もかかってしまいます。

気軽に始めるのなら、

自筆証書遺言

に挑戦してみましょう。費用も承認も必要ないので、紙とペン、それと印鑑さえあれば今すぐにでも書くことが出来ます。

しかし自筆証書遺言が簡単とはいえ、遺言書と認められるためにはやはり一定の決まり事が存在しますので、注意して下さい。

そこを守らないと、せっかく書いていても無効とされてしまい、台無しになってしまいます。

【遺言書作成の注意点】

     
  • 全文が遺言者の自筆である事
      (日付印や印字、コピーは不可)
  •  

  • 特定の日付が、自筆で記されている事
      (何年何月何日に書いたかをきちんと記す事。「吉日」は不可)
  •  

  • 遺言者の署名がされている事
      (もちろんフルネームで書いてください)
  •  

  • 遺言者の押印がされている事
      (認印でも有効ですが、争いとなった場合に本人の印である事を証明する必要がありますので、銀行印か、実印をおススメします。)
以上は必ず守ってください。
特に日付を「吉日」にして無効になる場合は多いそうです。

不安な場合は一度、作成した遺言書を司法書士(または行政書士)に確認してもらうと良いでしょう。

費用はかかりますが、一から作成をお願いする他の種類の遺言書よりは、はるかに安くすみます。

また、一定の条件を付加する事も可能です。
「同居の親の面倒を見るのなら、全財産を長男へ譲る」
とか、
「母親を一緒に住まわせる場合に限り、次男へ不動産を譲る」
「飼っていた猫の世話をすることを条件に自宅を相続させる」

などです。

もちろん、この場合にも「遺留分」は存在しますので、そのことを考慮した上で財産の分配を遺言書に記したましょう。



まとめ

遺産相続は、何もお金持ちだけのものではありません。

あなたの財産は、たとえ少額であろうとも死後、相続人に引き継がれます。

思わぬトラブルを避けるためにも「遺言書なんて大袈裟だ」などとは考えず、遺されるご家族を思って是非とも遺言を遺しておきましょう。

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