冷房病の原因と症状 会社で改善したい!対策は?治し方は?
日本の高度成長に伴い、空調設備の開発目覚ましく企業に普及し始めた冷房機。
近年、温暖化の影響で夏の暑さはますます厳しさを増し、室内では冷房が手放せなくなっています。
そんな中、増え始めたのが「冷房病」。
まさしく近年の夏を代表する現代病と言えるでしょう。
冷房病とは? 原因と痛みやだるさを伴う症状
「冷房病」とは、正式な名称ではありません。
「冷房病」とは、冷房の効いた屋内と炎天下の屋外を繰り返し出入りしていると、体温の急激な変化に身体の調整が追いつかなくなり、自律神経が混乱することでおこる様々な身体の不調の事を指します。
クールビズが叫ばれてひさしく、冷房の推奨設定温度が節電も兼ねた28℃とされてからは冷房病も減少するかに思われていました。
しかし実際は、いまだ企業ではパソコン機器などオフィス用機器の調整などで設定温度がいまだ24~25℃の所は多く、外気との温度差は改善されていません。
外気と室温の温度差が激しいと、人は体温の調節が間に合わなくなり体調を崩しやすくなります。(=冷房病)
しかし、社内の人間すべてが冷房病になる訳ではありません。
もしそうであれば会社は、冷房の温度を上げて落ち着くはずですから。
体温には個人差があり、たいてい夏は暑がりの主張が通りやすいです。(夏は暑いのが当たり前ですから)
それが、冷房病がなかなか改善されない要因でもあります。
冷房病になると手足の末梢が冷え、ひどい時には痛みを伴うようになります。
頭痛やめまい、肩こり腰痛もひどくなり、全体的に身体にだるさを感じるようになります。
これが続くと自律神経が疲弊し、気力の減退、はてはうつ病にもなりかねません。
体調の不調を感じたら、早めの対策をとりましょう。
冷房病対策 会社で改善できる?職場での対策は?
会社に改善を求めると言うのも一つの手ではありますが、あまり効果は望めないでしょう。
会社には多くの方がいて、皆があなたと同じ感覚を持つわけでは無いからです。
現に改善を申し出ても、積極的に動いてもらえた例は少ないようです。
診断書が取れるなら、診断書に会社の冷房設定温度を記載してもらい、それが原因だとはっきり書いてもらって提出したうえで、エアコンの吹き出し口から遠い席に移動させてもらうとか、西側の窓に近い(暑い)席に移動させてもらうとか少しの協力をお願いしてみましょう。
いきなり冷房の温度を上げてもらうのはまず無理です。
会社には暑がりの方も大勢いますので、争いの元となります。
暑がりの方には冷房病の辛さは理解してもらえません。
冷房病の方が暑がりの方を理解できないのと同じです。
平行線のまま関係だけが悪化してしまいます。
以上の事を行って(行えない場合でも)、後は自分で対策をとるようにしましょう。
この時に、先に診断書を出しておくことで後々の冷房病対策(厚着など)にも会社からの反発が薄らぎます。
本格的に改善したいのであれば、まず病院で診てもらう事をおススメします。
先ほどの診断書の件もそうですが、医師に客観的に診てもらう事で、治療が必要なのか、民間療法的な対策で良いのか、判断の一材料となってくれるでしょう。
そのうえで、会社では厚着を心掛けます。
会社で制服が決まっている場合は難しいでしょうが、そうでない場合は出来るだけパンツスーツを採用して下さい。
出来れば、ズボンの下にもう一枚レギンス(スパッツ)などを着用するようにすると、下半身の冷えがマシになりますよ。
腹巻も有効です。
内臓の冷えは結果、全身の冷えに繋がります。
スカーフやストールも室内でも外さないようにしましょう。
首筋からの冷えは、極端に体温を奪います。夏風邪の原因にもなりますので、寒いと感じたらまず首筋を守りましょう。
靴下も効果的ですが、パンプス着用などで難しい場合は厚めのタイツを履くようにしましょう。
靴先用のカイロも末梢血管を拡げ、血流を良くするのに役立ちます。
夏でも冬の装いを心掛けてみましょう。
冷房病の治し方 体質改善が重要です。
服装やカイロなどは、応急的な処置にすぎません。本格的に治したいのであれば、体質の改善が重要となってきます。
長い目で見ての改善・効果を期待するなら、やはり一度病院へ行って診てもらった方がいいでしょう。
病院に行き、身体に異常がないと言われた場合は改めて、代謝や血流の改善を考えてみます。
基礎代謝の改善を。
汗をかく事は、身体の代謝をあげるのにとても効果的です。
運動もいいですが、夏でもしっかり湯船に浸かり、リンパマッサージを行いましょう。
血流も良くなり、汗もかけるので一石二鳥です。
冷水シャワーと湯船に浸かることを繰り返すと、代謝がよくなり汗をかけるようになってきます。
冷たい飲み物は避ける。
内臓が一定の体温を保とうとエネルギーを消費し、疲れてしまい、夏バテになりやすくなります。
毎朝1杯の温かいお茶(煎茶・麦茶)がおススメです。
筋肉を鍛える。
女性が男性よりも冷え性が多いのはコレが原因です。
筋肉、特にインナーマッスルを鍛えると良いでしょう。
ふくらはぎの筋肉を鍛えるのも効果的です。
ウォーキングもおススメですが、職場で椅子に腰かけている時でも意識してかかとを軸につま先を上げ下げしたり、休憩時などを利用して「つま先立ち」と「かかと立ち」を繰り返す運動をするなど、すきま時間を上手く活用する方法もあります。
睡眠を十分に摂る。
睡眠不足は、自律神経失調の大きな原因となります。
熱くても、クーラーは寝入りの1~2時間に抑え、夏でも腹巻をして寝る事をおススメします。
アイスノンも快適な睡眠には効果的ですが、靴下は寝る時には履かない方が良いでしょう。
睡眠時の体温調節が、上手にできなくなってしまいます。
※足が冷たくて眠れない時は、洗面器にお湯を張り、5~10分程度足をつけて温めてあげましょう。(冷めたらお湯を足します)
それからすぐに布団に入ると比較的スムーズに眠れるようになります。
まとめ
元々冷え性だった方が、職場の環境で冷房病となるケースは多いです。
しかし、冷え性でなくとも冷房病になる事はあります。
冷え性と違い、冷房病は主に自律神経からくる不調であり、職場では自分の思う通りの室温にすることは困難だからです。
もちろん、会社に訴えて理解を得る事は大事ですが、基本は自己防衛と自己改善だと考えて下さい。
事務職となれば1日の1/4は会社で過ごすのですから、少しでも快適な環境で過ごしたいものです。