浸水後の処理方法 家のコンセントは大丈夫?消毒方法は?補償はあるの?
最近は温暖化の影響で、台風は以前より日本を通りやすくなっています。
それに伴い、各地で集中豪雨(ゲリラ豪雨)が相次ぎ、大規模な浸水被害も増加しています。
今回は、実際に浸水被害を受けた場合どうなるのか。どのように復旧すればいいのかを考えてみました。
浸水被害後の処理方法 家のコンセントは使えるの?
家庭のコンセントは、床から10~20cm辺りの所に設置されている場合がほとんどです。
床上浸水したら、水没…少なくとも水濡れは免れないでしょう。
基本的には、家庭用コンセントは少々でしたら水に濡れても、乾けばまた動くように出来ています。
冬場には結露の可能性もありますので、水濡れの対策はされているのです。
(※状況によっては感電する危険があります。濡れたコンセントには不用意に触らないようにしましょう)
しかし床上浸水などの災害時の水には大抵、水以外にも細かい砂や木くず・ゴミなどが混ざっていて、これらは乾いたとしても機器に残り、故障(ショート)の原因になってしまいます。
なので台風や豪雨などの自然災害で浸水したコンセントは、使用しないで下さい。
水が引いた後にはブレーカーを落としてから、差しているプラグを全て抜きます。
抜けない場合は、そこに繋がるブレーカーは決して上げないで下さい。
他の電化製品も同様です。
出来るだけ早く電気屋さんに連絡して、確認の検査をしてもらう必要があります。
保険や公的援助を受ける際に、申請しやすくなります。また、証明を求められる場合もありますので、被害状況は細かく写真を撮っておく事をおススメします。
家の保険については、サイト内記事「台風など災害で窓ガラスが割れた場合の対処法 保険で補償できる?」でも少し書いていますので、ご参考下さい。
浸水後の処理方法 後片付けと消毒はどうすればいい?
災害による浸水がおこると、家屋の細かい隙間にまで水が浸入し、なかなか乾かず、細菌などが繁殖しやすくなります。
そのため食中毒や感染症が発生しやすい環境となりますので、十分に注意して下さい。
水が引き始めた頃に床の上の砂や泥も一緒に、引き水の勢いを利用して吐き出してしまいましょう。
それでも残った水はバケツや洗面器などでくみ出し、最後は雑巾などで吸い取って全て取り除きます。
散乱した家具などを出来るだけ戻し、床の泥やゴミを落とします。
床や家具の歪みを確認し、無ければ汚れを落として水拭きしてから『逆性石けん(一般的に塩化ベンザルコニウム液のこと)』などで消毒殺菌しましょう。
薬局などで手に入ります。
棚の中の食器類は、必ず洗って(消毒して)から使用して下さい。
キレイに見えても汚れや細菌が付いている場合があります。
畳が濡れてしまった場合は、残念ながら諦めましょう。
表面上は乾いていても、中の芯の部分がいつまでも濡れていて、そこからカビや雑菌が繁殖してしまいます。
落ち着いたら、床下の状況を確認しましょう。
床下収納などがあれば、そこから床下を確認できます。
(一部はがす必要があるかもしれませんが。)
洪水などの場合は、床下などに下水の汚水が流れ込んでいる場合があります。
この場合は、乾いた後に物凄い異臭を放ちますので、出来るだけ素早く床下を洗浄しておく必要があります。
表面の汚泥を取り除き、洗浄には『消石灰』などを散布しましょう。
園芸用に、ホームセンターなどでも手に入りますが、広範囲になる場合は床板をはがす必要もありますので、専門の業者などにお願いしましょう。
床上浸水に至ったら、床材や壁材も確認する必要があります。
特に壁の断熱材などは、一度水を含むと完全に乾かすことは困難です。
リフォームする事も考え、早めに工務店に調査を依頼しましょう。
浸水被害後の対処法 公的援助はあるの?
このように、一度家屋が浸水してしまうと復旧には思いもかけないほどの時間・労力・お金がかかります。
公的な援助・補助金などは、地域によって差があります。
しかし適用される場合は、町の広範囲に被害が出るなどの大規模災害である場合がほとんどですので、やはり個人で保険に入っておいた方が安心でしょう。
まずは現在入っている火災保険の内容を確認しましょう。
災害・水害が補償されている火災保険もありますが、別に付けないといけない保険もあります。
繰り返しになりますが、家の保険についてサイト内記事「台風など災害で窓ガラスが割れた場合の対処法 保険で補償できる?」でも書いていますので、ご参考下さい。
コンセント等は家財保険の適用となる場合があり、家財保険へ加入している必要があります。
また、必ず市や町へ『罹災(りさい)証明書』を申請しましょう。
※罹災証明書とは住家の被災程度を証明するもので、市や町が被災家屋調査を行い、その確認した事実に基づき発行する証明書です。
その際は、事前に被害状況を写真などにおさめておくと、手続きが楽になります。
罹災証明は、保険の申請や補助金・見舞金などの受給に必要となります。
また災害後の廃材処理などが優遇されます。
まとめ
家庭用の電化製品は基準も厳しく、あらゆることを想定して作られています。
しかし災害は通常の生活状態とは異なるため、水が引いた後も電化製品の使用は避けた方が良いでしょう。
必ず電気屋さんに安全を確認してもらってから使用するようにして下さい。
災害後の復旧は、本当に心身ともに疲れてしまいますが、何より命あっての物種です。
災害時は、なにより自らの身を守ることを第一に考えて下さいね。
浸水時の避難については、サイト内記事「洪水や大雨による浸水避難のタイミングは?」も参照ください。