寒中お見舞いの目的 時期はいつ?状況別の文例と図柄を紹介
暑中お見舞いは一般的ですが、実はあまり知られていないのが「寒中お見舞い」。
本来は、寒さ厳しい季節に相手の体調を気遣い、様子うかがいに出すのが目的ですが、一般には喪中でお年賀の挨拶が出来なかった方、知らずにお年賀を出してしまった方のお詫びなどでよく使われます。
あとは、松の内を過ぎてしまってお年賀が出来なくなった場合の挨拶に使われたりします。
寒中お見舞いの時期はいつ?
時期は1/5~2/4頃、1/5が寒の入りになりますので、そこから暦の上で春の始まりとされる立春の時期までが一般的です。
※立春の時期は毎年変わりますが、だいたい2月3日~4日あたりが多いです。
ちなみに、立春を過ぎても2月末くらいまでは「余寒見舞い」として名残の寒さを気遣う挨拶ができます。
暑中見舞いに対する、残暑見舞いにあたるものですね。
寒中お見舞いの書き方と状況別 文例
書き方としては年賀状や、暑中見舞いと同じ要領で。
① 冒頭のあいさつ。(寒中見舞いである事をしるす)
② 時候のあいさつ。または、お年賀が遅れたことに対するお詫びの文。
③ 本人の近況。
④ これから一年のお付き合いをお願いする文
(年の初めですので、明るい未来を想像させる言葉がふさわしいです)
⑤ 相手の体調を気遣う文
⑥ 日付。
となります。
文例
朝晩の冷え込みが厳しい時期 かがお過ごしでしょうか
おかげさまで我が家は皆元気に過ごしております
春はまだ遠く寒い日が続いておりますが、お風邪など召されませんようご自愛くださいませ
平成〇〇年 睦月
春とは思えぬ寒さが続いておりますが、皆様お変わりはございませんでしょうか
こちらも春にはまだ遠い日々が続いておりますが、家族皆、なんとか元気に過ごしております。
春の足音も聞こえて参ります。時節柄くれぐれもご自愛くださいませ
それではまた
平成〇〇年 如月
皆様におかれましては良いお年を迎えられましたこと心よりお祝い申し上げます
おかげさまで私どもも無事新年を迎えることが出来ました
厳寒の折 お風邪など召されませんようご自愛くださいませ
平成〇〇年 一月吉日
しかし上記は、あくまでお年賀、お見舞いの意味を兼ねたご挨拶の場合です。
これが相手が喪中となりますと、以下のように変わります。
以下は、喪中の方にお出しする場合の例となります。
文例
年頭のご挨拶はご遠慮させて頂きましたが、皆様お変わりはございませんでしょうか
ご喪中と存じ失礼かとは思いましたが、故人のご冥福をお祈りいたしますとともに皆様が一日も早くお元気を取り戻されますようお祈りいたしております
厳寒の折から 皆様どうか御身お大事にお過ごしください
平成〇〇年 一月
ご服喪中をわきまえず年始のご挨拶を致しましたこと深くお詫び申し上げます
遅ればせながら故人(お名前)のご冥福を心よりお祈り申し上げます
厳寒の折 皆様お身体切に元気でお過ごしくださいませ
平成〇〇年 一月
故人を亡くしたばかりの相手を気遣う文章にとどめて下さい。
相手に、こちらの近況を慮る余裕はないからです。
また年末にご不幸があった場合、故人宛てに年賀状が届く場合がありますが、その場合は致し方ないことですので、なるべくやんわりお知らせ差し上げて下さい。
文例
この度はご丁寧な年頭のご挨拶を頂きまして誠にありがとうございました
また新年折りにこのようなご報告を致しますのは心苦しいのですが、
(故人お名前・続柄)は、(死亡年月日)に他界いたしました
旧年中にお知らせすべき非礼を深くお詫び申し上げますとともに、故人が生前賜りましたご恩情に厚く御礼申し上げます
本年の皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます
平成〇〇年 一月
寒中お見舞いの図柄に相応しいものは?
これは、寒中お見舞いを出すに至った経緯にもよります。
② 寒さが厳しいので、遠方の知人に体調を訊ねたい。 (または訊ねられたので返事が書きたい)
③ 喪中の知人へ挨拶状を出したい。
本来の目的は②なのですが、大抵は①か③の理由で出される方が多いでしょう。
1月は年賀状があります。
1月に2回も挨拶を送る人はあまりいないでしょう。
文章は先に述べたとおりですが、図柄も、①②と③では大きく異なります。
まず①②の場合は、年始の挨拶を行う事に何ら問題の無い状況ですので、お祝いの言祝ぎが許される状況です。
思い切り楽しく明るい図柄を選びましょう。
干支の図柄や、お正月を連想させる図柄(独楽や鏡餅)などでも大丈夫です。
しかし③の場合は、喪中で年始の挨拶すらご辞退されているわけですから、年賀のお祝いを連想させるものはすべてNGと考えましょう。
さらに喪中であることを強調するような、喪中葉書に使われる図柄(蓮や胡蝶蘭)や薄墨も避けた方が無難です。
冬の寒さ静けさを連想させる地味な図柄(雪の結晶や、雪山の木々)などを薄い藍色一色で清涼に仕上げるといいかもしれません。
※図柄(例)
![]() |
![]() |
![]() |
まとめ
寒中お見舞いは、本来は暑中お見舞いと同じ季節の挨拶なのですが、年初めの時期に当たるため年賀の代わりとされることが多いようです。
その為、喪中の方に使われる事が多いので、文面や図柄には配慮が必要となります。
相手を気遣うつもりが、却って不快にさせてしまったら元も子もありませんからね。
もし喪中である事を知らずに年賀状を出し、寒中お見舞いが届いたとしたら、速やかに返礼のお返事にてお詫びを差し上げると誤解を防ぐことが出来ます。
喪中はがきの書き方や時期については、サイト内記事「喪中はがきの時期はいつ?」も参照ください。