蜂に刺された時の対処法と蜂毒の危険 アナフィラキシーは検査できる?
最近、蜂が人里におりてきて街路樹や軒先などに巣作りをするケースも増えてきています。
人々の生活の場に蜂が巣を作り、思いがけず刺されてしまう被害も増えているようです。
蜂に刺された場合の対処法は?蜂の種類によって違うの?
体内に入った毒はどうなる?
アナフィラキシーショックが怖い・・・検査は出来ないの?
そんな疑問を調べてみました。
=目次=
蜂に刺された時の対処法 蜂の種類で対応は異なる?
ミツバチ・アシナガバチ・スズメバチなど、蜂の種類によって対応は違うのでしょうか?
基本的な対処法は変わりませんが、毒性が高くなるにつれて患部に激痛が走ります。
蜂の毒性と特徴
のような感じで毒性が強くなります。
患部に触れない程の痛みがある場合は無理をせず、そのまますぐに病院に駈け込んで下さい。
ミツバチなどは比較的毒性は低くいのですが、針に返しがついていて、刺されると針が残ってしまう時があります。
アシナガバチの攻撃性は低いので滅多に刺すことはありませんが、毒性は高いので刺されると激しい痛みがあります。すぐに病院を受診して下さい。
スズメバチはかなり攻撃性が高いので、知らずにナワバリに入ってしまうと大変です。
激しい痛みと腫れに1週間以上悩まされることになるでしょう。
すぐに近くの病院へ駈け込んで下さい。
対処法
① 刺されたらすぐその場から逃げる。
蜂に刺されるという事は、その場が蜂のテリトリー(巣の近く)である可能性が高いので、すぐに現場から離れるようにしましょう。
留まっていると蜂が集まりだす可能性があります。
② 患部を確認。
刺されたら、患部に針が残っていないかを確認しておきましょう。
もし残っている針を見つけたら、ピンセットや指でつまんで、揺らさないように気を付けてそっと抜きましょう。
ミツバチの場合、毒袋が残っている状態の針がついている事があります。
この場合は指で挟むと毒がさらに体内に流出しますので、針には触らず、押し出すように抜きましょう。
③ 刺された患部を流水で洗い流す。
蜂毒を流水で洗い流します。患部の周辺をつまんだり爪で圧迫したりして毒液を出しながら流しましょう。
口で吸い出すのはおススメしません。
むしろ吸い出すことで虫歯などに毒が触れる可能性がありますので、おススメしません。
また、俗説の「おしっこをかける」はしないで下さい。
根拠であるおしっこのアンモニアは、排尿直後には含まれていません。(排尿後にアンモニアに変わります)
むしろおしっこの雑菌が傷口に入る可能性がありますのでやめましょう。
④ 薬を塗ります。
消毒してから抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗布しましょう。
⑤ 患部を冷やし、安静にしましょう。
お薬がとれないよう絆創膏などをはり、患部を冷やします。
しばらく安静に過ごし、気分が悪くなったり身体に痒みが無いかを確認し、異常があったら大袈裟に思わず、すぐ病院へ行ってください。
何科を受診すればいい?
毒性の高い蜂は危険性も高まりますので、必ず病院で診てもらうようにして下さい。
皮膚科で診てもらうのが一般的ですが、近くに無い場合や気分が悪い場合などは内科を受診しても構いません。
小さな診療所などは慣れてないお医者さんも多いので、不安に感じたら改めて大きな病院で持てもらってもいいです。
「セカンドオピニオン」ですね。
※病院によって見解が異らないかを確認するためにかかりつけとは違う病院を受診して確認する事。
まあ、1~2日置いて症状が治まるようならあまり深刻に考えなくても大丈夫だと思います。
ただ、後日痛みがひどくなったり、蕁麻疹が出る場合などは再度違う病院で診てもらった方が良いでしょう。
蜂毒の危険 体内に入った蜂毒はどうなる?
通常、蜂の毒は肝臓で分解されますので、体内に入ったとしても気にする必要はありません。
ただし毒が強いスズメバチなどの場合は、気分が悪くなるなどの影響が少し出るかもしれません。
しかしこれも時間の経過とともに治まってくるでしょう。
それよりも危険なのは、蜂に刺されて起こる蜂毒症です。
有名なのが蜂に刺されてすぐ発症するアレルギー症状「アナフィラキシーショック」ですね。
アナフィラキシーショックとは?
アナフィラキシーショックについては「蜂の巣作り予防法」でも少し触れましたが、初めて蜂に刺されたときに体内で蜂毒に対する抗体が出来て、2回目以降に刺された時に体内で過剰な拒否反応がでる症状です。
なので、初めて蜂に刺された方は、2回目以降は注意してください。
(※この言葉は蜂毒以外の過剰なアレルギー反応でも使われます。)
蜂毒のアナフィラキシーショックには即時型と遅延型があります。
即時型 … 数分~10分後で発症。
遅延型 … 1日~10日後で発症。
蜂毒は蜂の種類によって異なりますので同じ蜂に刺されない限りアナフィラキシー症状が出る事はあまりないのですが、毒性が近い蜂に刺された時に、まれにアナフィラキシー症状が出る場合もあります。
症状は、声が嗄(か)れたり、動悸や息切れ・蕁麻疹・呼吸困難から、発熱、血圧の急低下によるショック症状などがあります。
蜂に刺されて体調がおかしいと感じたら、すぐに大声で助けを呼びましょう。
時間があれば自分で救急車を呼んでもいいですが、即時型のアナフィラキシーショックは発症から重症化までの時間が恐ろしく短いので、発症したら無理せず、すぐに大声で人を呼ぶようにして下さい。
逆にアナフィラキシーショック状態の方に助けを求められた場合はすぐに救急車を呼んで下さい。
救急車を待つ間は、足を頭より10~15㎝ほど高くなるように上げて仰向けに寝かせます。
この時、顔が上を向いていると嘔吐した時に吐しゃ物(吐いたもの)をのどに詰まらせてしまうので、必ず顔は横に向けるように注意して下さい。
と、ここまで書いておいてなんですが、アナフィラキシーショックは必ず起こるわけではありませんので、必要以上に怖がることはありません。
普段は自分が一度、蜂に刺されている事を認識していれば十分です。
蜂毒のアナフィラキシーは事前検査できる?
蜂毒のアナフィラキシー(アレルギー)の有無は、皮膚検査と血液検査で判定できます。
検査には、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチ、それぞれの項目があります。
● 皮膚テスト ぞくに言う「パッチテスト」です。
皮膚に小さな傷をつけてアレルゲン(アレルギーの原因)をつけ、反応をみる検査です。
結果は数時間~半日程度で判ります。
● 血液検査 「蜂のアレルギー検査(IgE-RAST)」があります。
これは血液を採取して、蜂毒のIgE抗体というタンパク質の測定量を調べる検査になります。
結果が判るまでに1週間程度かかる場合があります。
どちらの検査も、刺された直後では抗体がまだ安定されていないので検査では反応が出ない場合があります。
刺されてから半月~1カ月後くらいに検査するといいでしょう。
アナフィラキシーショックを起こしたことがある、もしくは、起こす危険性があると思われる場合は、医師によりアドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)の携帯が許可される場合があります。
まとめ
蜂に刺された時の応急的な対処法は、種類に関わらず同じで大丈夫です。
(俗説には注意しましょう。)
痛みは通常、1日程度でおさまります。
2日以上傷みが続いたり、ひどくなったり、痒みや蕁麻疹などの症状がでた場合はすぐに医療機関を受診して下さい。
また、アナフィラキシーショックを事前に検査する事も出来ます。
心配な方は一度医師に相談してみて下さい。
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