サングラスの選び方 UVと偏光とは?価格に差があるのは何故?
紫外線対策として、サングラスは非常に有効な手段となります。
しかし、その選び方によっては逆に目に悪影響を与える場合がありますので、よく考えて選ぶ事が大切です。
サングラスの選び方
サングラスと言っても、様々なものがあります。
紫外線カットは当然ですが、他にはどんな選び方をすればいいのでしょうか。
これは、目的によって異なってきます。
例えば、
「登山に行く。わりと高所なので、紫外線が強いため保護したい。」
と、
「夏になり日差しが強くなって、通勤時、視界を確保して紫外線から目を守りたい」
とでは、選び方も選ぶ商品も異なってきます。
自分のライフスタイルにあった選び方が最善です。
では、上記パターンのサングラスの選び方の一例を紹介します。
●アウトドア(登山)用サングラス
山では平地より紫外線が強くなります。また、枝が突然登山道などに飛び出していることもあり、目に当たってしまう場合があります。
目の保護のために是非、サングラスはかけましょう。
ザックから頻繁に出し入れしたり、細かい砂や埃が舞いやすい登山には傷や衝撃に強いものを選びましょう。
色は自然な色合いの、薄いスモーク系偏光レンズがおススメ。
あまり色が濃いと天候の変わりやすい登山では危険が伴いますし、もし泊りとなれば朝焼けや夕焼けの紫外線の強い時間に使用できなくなってしまいます。
(登山経験者さんからは、可視透過率30%前後の物を薦められることが多いようです。)
長時間外で作業をする必要のあるアウトドアでは、目の疲れが少ない、視界のクリアなものがおススメです。
●通勤用サングラス
普段使いでも光の乱反射はわりとやっかいなので偏光タイプをおススメします。
それと、レンズと裸眼で少し見え方(位置)に差が出てくることがあります。
この場合、目はピントを合わせようと細かく調節しますので、疲れやすくなります。
なるべく裸眼の時と見え方に差が無いものを選ぶようにしましょう。
色は薄いピンク系かオレンジ系が、ブルーライトのカットにも効果的です。
あまり大きいサイズや色の濃いものを選ぶと、どこを見ているのかがわかり難く、対向車や人に危険です。
ある程度、自分の目の動きが相手に伝わるものを選びましょう。
他には、共通する事として目の横からの紫外線を防ぐために横側をカバーしているものと、視界を遮るフレームは、なるべく細いものを選ぶ事でしょうか。
しかし、側面をカバーするために湾曲したものは、度付きのサングラスでは曲率が歪んでしまうため難しく、フレームの細いものは衝撃に弱い傾向があります。
また、自分の顔にフィットする事も重要です。
メガネ屋さんで選ぶ際は何度も掛けて確かめましょう。
通販で購入される場合は、お近くのお店で調整をお願いする事も必要です。
サングラスの種類 UVカットと偏光レンズ
主に『サングラス』と『偏光サングラス』と『ファッション用(サン)グラス』の3つの表示に分かれます。
この3種類の中では、ファッション用サングラスが、紫外線カット機能が弱い傾向があります。
◎UVカットと偏光レンズはどちらが目に良い?
偏光サングラスとは … 偏光膜という、窓につけるブラインドのような膜が施されていて、多方向からくる光の波長を限定し、特定の波長しか通さない仕組みになっています。
これによって乱反射する光のギラツキを抑え、眩しさを軽減させる効果があります。
※偏光レンズだけでは、紫外線をカットしてくれません。
釣りや、スキー、車の運転など、光の乱反射が気になるところにはおススメです。
UVカットサングラスとは … 紫外線を吸収する性質をもったレンズの事です。
吸収と言っても吸い込むのではなく、紫外線の光の波長を透過させない性質とお考えください。
白内障対策や日焼け対策など、紫外線の影響を軽減させる効果があります。
≪表記の注意点≫
・紫外線透過率 … 紫外線を通す数値を表します。
・紫外線遮蔽率(UVカット率) … 紫外線を通さない数値です。
つまり、 紫外線透過率は数値が低いもの 、 紫外線遮蔽(カット)率は数値が高いもの の方が紫外線をよく防いでくれるということになります。
では、偏光レンズとUVカットレンズどちらが目に良いのかといえば。
答え: 両方 です。
ずるい答えに思えるかもしれませんが、この2つは役割がまったく異なります。
紫外線だけだと光の反射は防げませんのでレンズが眩しくなって視界が悪く見えにくくなる場合があります。
しかし偏光だけだと紫外線を通し、目に悪影響を与えます。
特に可視光線透過率の低いもの(光をあまり通さない性質のあるもの)をつけると、目が光を求め瞳孔が大きくなるため、紫外線をより多く取り入れてしまう事になります。
ちなみに、サングラスが色の濃いものがあまり良くないとされる理由もこちらになります。
つまり両方そろっていれば、眩しい光から解放され、さらに紫外線による目の悪影響を抑えることができる。という訳です。
おまけ。
調光サングラスというものもあります。
これは、ハロゲン化銀を素材に混ぜ、紫外線や可視光線の熱量によって色が変わる仕組みになっています。
これによって、室内室外の両方使いが可能になりました。
しかし一見便利なようですが、色の変化に時間が掛かり(特に色が抜ける時間)、また自らで色の調節が出来ない事からいろいろと不都合も多いようで、あまりおススメはしません。
調光機能も、2年ほどで寿命を迎えるようです。
調光機能をお求めの場合は、色付き、色なしを別に揃えてを屋外・屋内用を使い分ける事をおススメします。
サングラス選び 価格の違いによる差とは?
偏光レンズと紫外線カット効果の両方があるものが良いと書きましたが、
「そんな良いとこ取りは、高いのでは…?」
とお考えになるかもしれません。
しかし、最近ではサングラスと言えば紫外線カット率90%以上はあたり前ですので、実際の所は偏光レンズの通常価格とさほど変わりません。
価格の幅も、千円台の物から数万、十数万以上の物まで様々です。
では、偏光度も紫外線カット率もさほど変わらないのに、何故価格にこれほどの開きがでるのか。
それは『レンズやメガネの質』に他なりません。
数千円程度の物はUVカット「加工」が多く、1万円程度からUVカット「素材」の物もでてくるようです。
加工 は、表面にUVカット効果のあるコーティングがされているものです。素材 は、素材そのものにUVカットに効果があるものが使用されていることを表します。
普段使いならUVカット加工でも十分なのですが、長く使いたい、こだわりたいならUVカット素材のものを選ぶと良いでしょう。
(※どちらにも効果には寿命があります)
他には、デザインが良かったり、耐久性が良かったり、ネームバリュー(有名ブランド名)であったり…いろいろな要素で価格は変わってきます。
長時間車に置きっ放しにしたり、サウナにそのままかけて入ったりするのはやめましょう。
コーティングが剥げるとレンズごと取り換える必要が出てきます。
せっかく選んだお気に入りを長く使うためにも注意しましょう。
軽く水洗いしてから専用のクロスで拭きます。
レンズは大変傷つきやすく、細かい傷でも視界を妨げる原因となり、危険です。
また、乾いたまま拭くと、細かい砂や埃がレンズを傷つけてしまう恐れがあります。
しつこい汚れは、専用のクリーナーまたは中性洗剤を泡立てて、擦らず撫でるように手洗いします。
水でよく注ぎ、柔らかいティッシュで押さえるように水気を取ります。
専用クロスで拭いても良いでしょう。
まとめ
おススメはやはり、メガネ専門店で探すことです。
紫外線透過率(またはUVカット率)、偏光度(または可視光線透過率)をよく見て、店員さんに話を聞いて、自分の目的と予算にあったものを選びましょう。
自分の目的にさえ合っていれば、どんなに安くともそれは
「安すぎて信用できない」商品ではなく、
「お買い得」商品になるのですから。