熱中症の応急処置 かかった人への対処方法でやってはいけない事は?
前回は熱中症の重症度について記載しましたが、今回は実際に熱中症にかかった方を目の前にした時の応急処置方法を記載してみました。
あなたが軽い熱中症にかかってしまった場合でも役立つ対処法。
是非ご一読ください。
熱中症にかかった人への応急処置はどうする?
では実際に熱中症に罹った人への応急処置はですが、以下の方法を試して下さい。
- 1. 意識の有無を確認する。
- 2. 水分補給をする。
- 3. 風通しの良い木陰やクーラーの効いた部屋へ移動する。
- 4. 風が通るように衣服を緩めて身体を楽にし、足を10㎝ほど高くして横になります。
- 5. 保冷剤や凍らせたペットボトル、無ければタオルやハンカチなどを濡らして、ひたいや首筋、脇の間、足の付け根などを冷やします。
まず意識があるかどうかを確認して下さい。
その結果によっては後の対応も変わります。
(※ 意識がない場合は2.は行わないで救急車を呼び、3.へ)
水分だけでなく、塩分やミネラルも不足するので、できれば経口補水液や、スポーツドリンクがおすすめです。
無ければ、直接塩を舐めて麦茶を飲むのでも大丈夫ですが、摂り過ぎには注意が必要です。
※ただし意識がない・うつろな場合は無理に水を飲ませないようにしましょう。
※転倒に注意し、歩けない場合は周囲の方に助けを求めて下さい。
うちわなどで煽ぎ、より身体に風が当たるようにしましょう。
※嘔吐がある場合は足を上げず、身体を横向きに寝かせて下さい。
上記の状態で安静にし、症状が改善するのを待ちましょう。
すぐに救急車を呼ぶか、周囲に助けを求めて下さい。
以上が基本的な応急処置方法です。
これ以外にも、以下の症状が出るような場合は注意して下さい。
- ◎ 頭痛がひどい
- → まぶたを閉じていても入ってくる光が邪魔になる場合があるので、額に冷たいタオルを当てる際に、目元まで隠れるように覆って下さい。
- ◎ 吐き気がひどい
- → 自力で水分補給が出来るかを確認して下さい。
自力で水分を補給できない場合、または補給しても嘔吐してしまう場合などは無理して飲ませず、すぐに救急車を呼ぶか病院へ駈け込んで下さい。
- ◎ めまいがひどい
- ◎ 熱が下がらない
- → 安静にしていてもめまいや発熱が落ち着かない場合はすぐに病院へ駈け込んで下さい。
- ◎ 意識がなくなる
- → すぐに救急車を呼んでください。
頭痛薬には血管を収縮させて血流量を減らしたり、血圧を低くするものがあり、熱中症で脱水を起こしているような状態の時は危険な場合もあります。熱中症が疑われるこの時期の頭痛は薬を服用する前に、まず病院で診てもらうようにして下さい。
救急車を呼ぶ事に、ためらわないで下さい。
熱中症は進行がとても早く、軽度だと思っていたらすぐ重症化している場合もあります。
大袈裟かな・・・? と思っても、ご自分の判断で救急車を呼んでもらって構いません。
本当に救急車が必要か、不安な場合は電話口で相談してみると良いでしょう。
電話を受け付けた担当の方が、症状を確認して適切な助言をしてくれますよ。
熱中症にかかった場合の症状別対処法
熱中症の重症度は別記事にて紹介していますが、熱中症の症状によってはⅠ度~Ⅲ度に分けられています。
意識があり、軽いめまいや脱力感に見舞われる軽度の場合は、応急処置をしてしばらく様子を見てみましょう。
症状が改善されるようなら、そのまま休んでいれば回復します。
※会社や学校を早退などして人目をなくすより、容態の急変に備えて人目のある場所で安静にするようにして下さい。
症状が改善されない、または悪化した場合はすぐに病院へ行ってください。
すでに自力で回復できないところまで悪化している恐れがあります。
また、意識をなくしたり、呼びかけに対しつじつまの合わない返答を返すようなら重症化の恐れがあります。
すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
それから応急処置をしてください。
救急車が到着する前の応急処置によっては重症化を抑える事も可能です。
熱中症にかかった人にやってはいけない事は?
応急処置方法はいいとして、実際に熱中症に罹った方にしてはいけない事はあるのでしょうか?
- 放置する。
熱中症は風邪などの身体の回復を目的とした発熱とは違い、身体の機能異常による体温の上昇です。
放っておいても自然に改善される事はまずありません。
身体に脱水や熱中症による発熱などの症状が現れたら、すぐに対処する必要があります。
- 冷たい水を飲ませる。
また、冷たい水は吸収が悪く水分の補給には向きません。
なるべく常温の水分補給が望ましいでしょう。
- 無理に水分補給をさせる。
まずは意識の有無や状態を確認してから水分補給が出来るかを判断して下さい。
- 冷房を効かせ過ぎない。
震えるという行為は、身体が体温を上げようと筋肉を動かしている動作となります。
これではせっかく体温が下がりかけていても逆効果となってしまいます。
体温が下がり始めたら、体温の震えに注意しましょう。
熱中症応急処置まとめ
- ① 意識の有無を確認する。
- ② 水分補給をする。
- ③ 風通しの良い木陰やクーラーの効いた部屋へ移動する。
- ④ 風が通るように衣服を緩めて身体を楽にし、足を10㎝ほど高くして横になります。
- ⑤ 保冷剤や凍らせたペットボトル、無ければタオルやハンカチなどを濡らして、ひたいや首筋、脇の間を冷やします。
(※ 意識がない場合は②は行わないで救急車を呼び③へ)
うちわなどで煽ぎ、より身体に風が当たるようにしましょう。
※嘔吐がある場合は足を上げず、身体を横向きに寝かせて下さい。
まとめてしまえば上記のとおりですが、寝ていてもめまい・頭痛がひどくなったり吐き気など症状の悪化を感じたら、ためらわずにすぐ救急車を呼んで下さい。
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