犬の暑さ対策 屋内編 留守番対策 熱中症の症状と対処法は?
屋内と屋外では、対策の仕方が微妙に違ってきます。
屋外では、常に外にいるため換気は必要なかったのですが、屋内では風の流れを工夫する必要があります。
日光についても、屋外では日陰を作ってあげる必要がありますが、屋内では窓からの陽射しや、屋根からの熱によって室内の気温が上がる…などに気を付ける必要があります。
屋外犬については、「犬の暑さ対策 屋外編」を参照ください。
犬の暑さ対策 屋内犬のお留守番対策
屋内は、直射日光を避ける事は容易ですが風が通りにくく、熱がこもりやすいのが難点です。
一番良いのはエアコンで室内を一定にしてあげる事なのでしょうが、日中留守になってしまう家などでは、経済面・安全面からなかなか難しい事もあるのではないでしょうか。
では、それ以外で少しでも犬が快適に過ごせる環境は作れるのでしょうか。
まずは 掃き出し窓の外側に日陰を作る 。
いくら庇があっても、外の土間などからの反射で日光や熱が室内に入る事があります。
よしずは防犯面からおススメできませんが、つっぱりポールで設置する「サンシェード」などは、庇以上に日陰を作りますのでおススメです。
ケージ(寝床)は、日光が入りやすい窓際を避け、なるべく 日陰の涼しい場所に置く ことが大切です。
その際に中にすのこなどを入れ、床との隙間を作ってあげると身体が床に密着せず快適です。
※犬によっては硬い板面を嫌がる場合もありますので、様子を見ながら設置しましょう。
※この時お風呂の水は必ず抜いておきます。トイレの蓋の閉め忘れにも注意です!
かといって、子犬や小型犬などでは小さな隙間でも脱走の恐れがあります。
網戸を固定し、犬の登れない高い位置の窓をわずかに開けて、風の流れを作ってあげましょう。
防犯面には十分気を付けて下さい。
窓の内側に網状のつっぱり式のパーティションを取り付けるなどすれば犬の脱走防止にもなります。
犬は、口から体温調節を行います。 飲み水には、氷を入れてあげる と効果的です。
この時、あまり冷たくし過ぎないよう気を付けてあげましょう。
人間もそうですが、犬も内臓が弱ると夏バテします。
氷を食べてしまう心配がある時などは、桶(水飲み用の平皿)の底辺に水をはり、凍らせた上から水を入れてあげると冷たい水が長持ちします。
毎日のブラッシングも大事 です。
こまめにブラッシングをして、空気を毛の中の皮膚に当ててあげるようにしましょう。
これは、飼い主さんが帰ってきてからしてあげて下さい。
犬は肉球以外に汗をかきません。よって扇風機にあてる際は水浴びなどをしてからあてましょう。
そのままですとあまり効果はありません。
※水で濡らしたら、きちんと乾かしましょう。半乾きの状態だと皮膚病などの原因にもなります。
冷やし過ぎにも注意が必要 です。
冷気は低いところにたまりますので、より床面に近い犬は人間より冷える傾向にあります。
人が少し暑いくらいが犬にはちょうどいいので、風邪などひかせないよう気を付けてあげて下さい。
犬の暑さ対策 お留守番におすすめグッズ
使うグッズは、屋外犬とさほど違いはありません。が、使い方が微妙に異なります。
基本、犬は自分で涼しい場所を選びます。
お気に入りの場所を見つけたら、すのこや冷却タイルなどを置いてあげると一層涼しく過ごせるでしょう。
保冷ジェル入りのマットは、犬がかじってしまうと危険なのであまりおススメできません。
冷却アルミプレート は、外では日射しで熱せられる危険があるのでおススメできませんが、室内ですと、犬の体温で温まってもすぐ冷めるので、大理石などよりもおススメです。
しかし、犬によっては金属の感触を嫌う子もいるので、まずは金属製のお鍋やお盆で試してみるといいかもしれません。
お値段が安い物から始めましょう。
万が一、気に入ってくれないと、悲しいですからね。

やはり室内でも、 ペットボトルは大活躍 です。
中に水を入れて凍らせて、バスタオルを巻きます。解けないようにしっかり結んであげましょう。
直接氷に触らせるのはよくありません。
その際は万が一にもペットボトルの蓋や破片が口に入らないよう、しっかり包んでおくことが大事です。
アウトドア用の大きな保冷剤 を購入して、ケージの屋根部分に取り付けるか、すのこの下に敷いてあげると比較的涼しく過ごせると思います。
注意は、犬がかじれないようにすること。
屋根につけるにしてもすのこの下に敷くにしてもしっかり固定をして、布を被せるなどして犬の興味を引かない工夫が必要です。
犬の熱中症 症状と対処法
犬が暑がっているかどうかの目安となるのが、「パンティング」と言われる、舌から涎を垂らしてハアハアと荒く呼吸をする行動です。
唾液を外気にさらし、冷やすことによって涼しい空気を体内に取り入れ、体温を下げているのです。
その為、太っている犬は熱中症になりやすい傾向があります。
あと、鼻の低い犬種も注意が必要です。
●症状●
- 呼吸や脈拍が早い
- 食欲が無い
- 目がうつろになり、涎が増える
- 足がふらつき、読んでも反応が鈍い
- 舌や歯ぐきが青い(チアノーゼ・呼吸不全の可能性)
- 嘔吐や下痢、まれに血便が見られる
- けいれんを起こす
●対処法●
身体を冷やすことが先決です。
濡れたタオルを身体に巻き、扇風機やうちわなどで風をあてます。人工的に気化熱を利用する訳ですね。
水を飲む元気がある場合は、飲ませてあげて下さい。
そのまますぐに病院へ。お医者さんの判断が必要になります。
まとめ
エコという視点では、エアコンは確かに良くないのかもしれません。
ですが、猛暑が続く最近の夏は人間であってもエアコンなしでは辛い季節となっているのが現実です。
ましてや体温の調節機能が人より弱く、主張が出来ない犬などの動物には室温を一定にしてあげる事は必要ではないでしょうか。
しかし人のいない家でエアコンを作動させることは、安全面の点からも心配になります。
犬によっては、エアコンの冷気は寒すぎて風邪を引く子もいます。
犬種にあわせ、エアコンとエアコン以外を上手に組み合わせて、快適な夏を過ごさせてあげたいものですね。